[ハルヒ情報] TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」2期3作目の”エンドレスエイト2”の感想と考察


前回に放送されたTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の2期2作目となった終わらない夏こと”エンドレスエイト”。原作ですと『とある一回目』で色々と気付くキョンたちですが前回の放送時では特に何もせずに終了。
そして今話再びの終わらない夏こと”エンドレスエイト”。
前回の話を「ループされたとある回※バレ隠し」とすると、
今回は『ループしつつもキョンたちがループしていることに気付いたとある回※バレ隠し』と相成りました。
しかしながら見終わって驚いたのは今話では『終わらないこと』。
上で書いたように原作ですと『ループしたとある回』でキョンたちは色々と気付き『終わらない夏』を終わらせることができるのですが、どうも今回のアニメ化”エンドレスエイト”は何度目かの終わらない夏をキョンたちは過ごしているようです。
このことを踏まえ、今日は今話分の終わらない夏を振り返りながら伏線回収と疑問点を挙げながら書いてみようかと思います。
ネタバレ必至ですので(むしろ↑でもうバラしてますがw)続きよりどうぞ。
「何かおかしい。なんとなくそんな気がした」

今回の”エンドレスエイト”はこんなキョンの語りで開始。前回と違ってほぼ原作通りの展開を予想させます。
前回放送時のキョンの冒頭での語りは、
気だるいが、いたってごく正常な、お盆を過ぎた夏の盛りの日のことである。
となっていたので今回のキョンは視聴者と同じく『何かがおかしい』と気付いている状態となります。となると前回ここで書いたように”何かがおかしい”という意識の片鱗を見せていなかったこれまでのキョンとは違い、終わらない夏こと”エンドレスエイト”を何回か分巡ってきたキョンということになるのでしょうね。
そして前回同様電話をかけてくるハルヒ。しかし今回は前回と違いキョンは
(テレビに映る高校野球)をなんとなく応援していると、これまたなんとなくそろそろハルヒが騒ぎ立てるような気がした。
(ハルヒからの電話)
ハルヒが何を言い出すのか、またまたなんとなく分かって気がした。いや、違うな。正確には”前に全く同じことがあった気がした”、だ。
いわゆるデジャブってやつか。
と、前回の嫌々ながらにいつも通りにハルヒに従うキョンではなく、前に同じことがあった気がするとなんとなくだが気付いているキョン。
このように今回は前回とは全く違いほぼ原作通りの”エンドレスエイト”を巡る事になります。


左が今話のハルヒたちの服装
右が前回のハルヒたちの服装
例えば冒頭でのハルヒからの電話で集まったSOS団一同の服装。キョンの語りもかなり違いましたが今回のは服装まで違うことが分かります。


「夏は夏らしく夏じみたことをしないといけないのっ。失った時間は取り戻すことはできないのよ!」
また前回同様市民プールへと向かう自転車3人漕ぎを披露するなど違った視点もありましたが、突出して違うのはハルヒのこのセリフに合わせたドアップ強調。
前回はハルヒがこのセリフを何気なしに言うだけでしたが、今回は『失った時間は取り戻せない』というセリフを強調するが如くハルヒの顔をアップで表現。単純に見てもこのシーンで匂わせているのは明白でしょうね(苦笑
そして市民プールへと移動した一同。前回の市民プール時にもほぼ同じシチュエーションでしたが、今回は前回に増して(というよりも気付いて)キョンがいぶかしむ様子が伺えます。その中でも顕著に表現が変わったのが長門。

これは前回の”エンドレスエイト”時の市民プールでの長門。




そしてこれが今回のダーク長門(苦笑)
ハルヒたちを眺めている(のかどうかは疑わしいのですがw)姿はほぼ同じですが、今回の長門は前回以上に目が虚ろでいつも以上に表情がダークですw
ちなみに原作同様今回のアニメでのキョンはこの長門を見てこんな語りをしています。
また、あの妙な感じだ。何だか長門が退屈そうにしているような感覚が一瞬流れる。
流石にこんな長門の表情を見ればデジャブ以上に”何かおかしい”と思わねばキョンじゃありませんよね。自称「長門の表情を見分けることが多少出来る」と名言しているぐらいですし(苦笑)
またハルヒが連れてきた子供たちへの紹介に対してハルヒのこれから喋ることがなんとなく分かっているなど、かなりこの時点で”おかしい”というキーワードが出てきています。そしてキョンと同じく古泉も”何かおかしい”と気付く描写が。この時は自身も言っていたように「気のせい」だったのかもしれませんが、この後の彼の行動に注目。

前回の”エンドレスエイト”時と同じく『夏休み中にしなきゃダメなこと』の夏休み活動予定表を見せるハルヒ。前回は誰も彼もこの予定表を見てもそれらしい反応は見せませんでしたが今回の古泉は原作同様予定表を見て思案する姿が見受けられました。
この後も少しずつ”何かがおかしい”という描写を節々に表していき今話が如何におかしいかを表現。段々とこの夏の現象の核心に近づいていきます。


喫茶店でハルヒたちと別れたあとに一人だった長門を呼び止めるもメンチ切ってるばりに眼力ある目で見つめ返す長門を表現したり、
(いつもの「…そう」じゃなく「…そ」だったのが印象的w)


「(盆踊りなんて)久しぶりのはずなのについ最近来たような気もする」
久しぶりのお祭ムード真っ只中の盆踊り会場に来たキョンのセリフ。前回は「久しぶりだ」と呟いていたキョンが「つい最近来た気がする」と言ったり、

「ハルヒよ、遊ぶのはいいが宿題は終わってるのか?」
「何よアンタ。あれぐらいの宿題なんて3日もあればできるじゃない」
「みっか!?」
花火をしている最中にふと思った『引っかかっていること』をハルヒに聞くキョン。夏休みの宿題という後顧の憂いがあるキョンとは違い3日で終わらせてしまっていたハルヒが居たり、と。
このように前回の”エンドレスエイト”とはかなり違う終わらない夏を過ごしてきたキョン。そしてそれは前回以上に違う末路を辿ることになります。
それが夜遅くにかかってきた一本の電話。


「キョンく~ん、わたしぃ、未来に帰れなくなりましたぁ~」
みくるからの電話で切羽詰った状況だと知りいつもの集合場所である公園に着いたキョン。そして知らされて驚愕の事実。それは古泉曰く
「我々は同じ時間を永遠とループしている」
「ここ最近の時間の流れがおかしくなっている」
「8月17日から31日までの間を繰り返している」
「それから先の未来は無くなっている」
「31日の24時ジャストになった瞬間全てリセットされまた17日に戻る」
「原因はハルヒ。夏休みを終わらせたくない、『夏休みにやり残したことがある』と感じている」
毎度の如くこの終わらない夏の現象はもちろんハルヒ。キョンや古泉などハルヒに近い人間だけがループしていることを微かに知覚し、その経験の積み重ねができるようで、そのせいでキョンや古泉は”何かがおかしい”と思っていたという。もちろん原因であるハルヒはそんなこと微塵も感じていないとのこと。毎度ながらにやっかいな神の力です(苦笑)
しかしこんな現象を一人だけ全て知覚していた存在が居ます。それはもちろん統合思念体である長門。
長門はこれまでのループした夏休み”エンドレスエイト”を全て覚えているという。始まりから今回まで全て。そんな長門にキョンは気になっていた「今回が何回目になるのか」と聞くと……


「今回が一万五千四百九十八回目に該当する」
なんと今回が15498回もループしているという。繰り返しているという事実でさえ吃驚なキョンがこの長門の一言で2度吃驚。594年分同じ夏を繰り返してきたという衝撃の事実。
こうして”何かがおかしい”と気付き始めたキョンが知った衝撃の事実は約600年余りの終わらない夏を繰り返してきたという異常な真実。原作ではこの『15498回目』に該当していたらしく最初からこの状態だったので細かに張り巡らされた伏線を回収しつつ物語が進んでいくのですが、アニメだと実際にループした回(前回の”エンドレスエイト”)をやりつつ今話で『ループしていること』を知るという形を取り、視聴者にとっても終わらない夏という同じ回を見せることで”エンドレスエイト”を体験させるという手法になったわけです。
しかし、このままで終わらない、終わらせないのが京アニクオリティと言わんばかりの展開が待っておりました!
「ハルヒが満足しているわけはないと分かっていはいたが、だからといって何か手を打つわけもなく、そうこうしている内にやってきた、8月30日」


『夏休みにやらなきゃダメなこと』を書いた予定表が一通り終わったハルヒ率いるSOS団。まだ何か物足りなさを感じているのか「何かやりたいことある?」とハルヒが聞くもみんな意気消沈なご様子(笑)
そんなキョンたちの反応を見てハルヒも前回同様「この夏ややりたいことはいっぱいやったから十分」と言い喫茶店を出ようとします。
そこで行動に移したのが言わずもがな、キョン。


「まてハルヒ――っ!?」
(既視感:デジャブがキョンを襲う)
「またきたっ、デジャブだっ。それも今までに無い強烈なやつだ」
「ここでハルヒを帰しちゃダメだ。ここで帰したら一万何千回と繰り返してきたあの2週間を繰り返す羽目になっちまう」
「だが、何をすべきなんだ――、何を言うべきなんだっ――」
「ハルヒの言った言葉にヒントがあったはずだっ。だかそれはなんだ!? あいつは今までなんて言ってきた!?」
一万何千回繰り返してきたことによりキョンに襲い掛かるデジャブ。そして目先にいる帰ろうとするハルヒ。これまでの繰り返してきた経験。そしてこれまでのハルヒの行動、言動からヒントを得ようとするキョン。なんとか頭を捻り考え抜いたキョンは……
「――分からないっ、思い、つかないっ……」


「8月31日。宿題、手付かず」
「もう知らん。どうにでもなれだ。」
「もしまた繰り返すんなら、宿題なんぞやったところで意味無いしな」
「明日が来ようが来まいが、まぁそんときの俺に任せればいいか――…」
結局ハルヒを帰してしまい31日を向かえた上、明日は明日の風が吹く戦法にしちゃったキョン(苦笑)
原作のような結末になるのか…と思いきやまさかの3段構えになり来週もまた見てね!という結果になりました。前回の喫茶店での別れから見ればかなりの前進ですが結局は解決せず終了(汗)
ということで明日のキョン、つまりは8月17日のあの高校野球を見ていたキョンに戻り全てリセットされるのでしょうがその時の始まりがどんなキョンなのか全く想像できません!
前回と今回の”エンドレスエイト”でほぼ原作通りの道筋を辿ってきたのにアニメだと全く違う結末。これがどう影響して次回の”エンドレスエイト”に進んでいくのか楽しみでもあり不安でもある夏の夜。果たして次回はどんな終わらない夏になるのか。むしろ終わらない夏は終わるのか!?(苦笑)
私たちが吃驚するような展開を期待してますよっ京アニさんっ!(笑)
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