(アニメレビュー) CLANNAD -AFTER STORY- 第21回
CLANNAD -AFTER STORY- 第21回 「世界の終わり」



「同じですね、渚さんと。残念ですが原因は分かりません。
ですが渚さんのようにこの状態が続くと・・・」
「さっきまで…あんなに元気だったのにっ…」
汐が熱で倒れたのはやはり渚と同じ病状であり、
それは汐も渚と同じ運命を辿るように苦しんでいた。
「朋也、こいつの父親は誰だ?」
「…俺です」
「ならお前はしっかりしてろ」
汐を苦しそうに見つめる朋也に、秋生はそんな言葉を投げかける。
誰でもない汐の傍に居てやれる、守ってやれるのは朋也なのだと。
そんな秋生の言葉を聞き、朋也は苦しそうに、
しかし何かを決心したかのような、そんな顔を浮かべていた…
...そしてOPへ
アフターストーリー21回目。そして世界の終わりが訪れた回。
原因不明の熱を出し倒れてしまう汐。
そんな汐の病状を同じくし、ここにはいない渚。
その二人の家族を失おうとしている朋也。
今話はそんな朋也に訪れた世界の終わりを表した回。
守るべきものを見つけた朋也は何を思うのか。
母親と同じ運命を辿っている汐はどうなってしまうのか。
悲しき結末の前に、朋也が取った行動は……
AFTER SOTRY 第21回目となる今話。
”世界の終わりは 悲しい色に 満ちていた”
どうぞそのままご覧下さい。
◇ ◆ ◇
幻想世界---//
「大丈夫? 君は寒くない?」
――人形のボクは寒さをかんじない。だけど、きっと彼女の手は冷たくなっているはずだ


「もうすぐ世界が真っ白になるね…。ちょっと急がなくちゃね」
暖かで、賑やかな世界へと行くために手を繋いで歩いていく少女とボク。
真っ白い雪のような降るこの世界は、次第にその白さを広げていき、
かつて広大な草原であった場所は、少しずつ真っ白な世界へと変えていった…
---//幻想世界
ドンッ ドンッ パンパンっ
遠くで花火の音が聞こえる。それは汐も朋也も楽しみにしていた、
二人揃っての初めての運動会であった。
「…うんどうかい?」
「あぁ」
「パパ、はしらないの?」
「今日はずっとお前の傍に居るよ」


しかし汐が熱を出したこともあってか朋也は汐の傍に居ると決め、
秋生とのリレーはもちろん辞退してきたのだった。
「あっきーは?」
「オッサンは走るかもな。アンカーが二人も居なくなったら大変だろうし」
「パパ、あっきーにかって」
「いや、お前の傍に要るって」
「…ちょっとくやしい」
楽しみにしていた運動会。初めての二人一緒の運動会。
朋也が走るということで楽しみにしていたものの、
自分のせいで朋也が走らないと思ったのか、汐は残念な気持ちで一杯だった。
「お前は俺の味方なんだな。俺もお前の味方だ。どんなことがあっても守ってやる」
「…うんっ」
「眠いか?」
「……うん」
そうやってようやく笑顔をうかべ、静かに目を閉じ眠りに付く汐。
しかし、朋也は反対にさきほどまで浮かべていた笑顔は消え、
汐のそんな寝顔を見ても、ただただ苦しそうな顔を浮かべるだけだった…。
そんな日々が続き、一週間、一ヶ月と過ぎたものの、
汐は相変わらず熱が下がらず、寝たままとなってしまった。
幼稚園に行くことも、部屋から出ることさえ出来なくなっていた…。
「…すみません」


「僕としては岡崎君に辞めて欲しくないんだけど、色々と事情があるみたいだし…」
そんな汐との生活が続くこともあってか、辞表を提出する朋也。
それは自身の父親、直幸のように、何を犠牲にしても守っていく決心の表れだった。
「…思い切ったな」
「早苗さんやオッサンには止められました。でも汐の傍に居てやりたくて…」


「そうか、ご苦労だったな」
「…今まで、ありがとうございました」
そんな朋也を待っていたのか、芳野は事務所の前でそう言葉を投げかける。
朋也もそんな芳野に対して、これまでのこと、そしてこれからのことに感謝の言葉を言う。
そんな朋也の言葉に、芳野はふと思い立ったかのように、
作業車に乗っている荷物に手を伸ばして朋也にあるものを渡す。それは…
「持ってけ。無くすなよ」


それは『よしの』と刻まれた一本のドライバー。
芳野自身が仕事場では必ず使っていたドライバーであった。
「…いいんですか?」
「いいわけあるか。明日の仕事で困るだろうが」
「だったらっ」
「…代わりにお前のドライバーを貸せ」
「…ぇ?」


「帰ってきたら返してやる。汐ちゃんが良くなったら帰って来い」
これまでにないほどの笑顔を浮かべ朋也にそう言う芳野。
朋也もそんな芳野の心遣いに言葉無くドライバーを受け取り、
自分が使っていたものをそっと差し出していた。

「大事に使わせてもらうからな」
黙ってそのままドライバーを芳野へと渡し、静かに頭を下げる朋也。
それは、言葉を出せば何かが溢れてしまうような、そんな静かな礼だった…。
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(管理人コメント)
普段の愛溢れる芳野さんの言葉はどこか空気の読めないほうが多いんですが、
この場面でその言葉はカッコよすぎですよぅっ。・゚・(ノД`)・゚・。
秋生もそうですがこの作品の中の男は本当にカッコいい男ばっかりですよね。
同姓の私から見ても惚れ惚れしちゃうような…げふんげふん!
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そうして朋也と汐の二人だけの生活が始まった。
汐を入院させようと考えたものの、原因不明の病状なために治療法もないので、
入院させても意味は無いと考えた朋也。
むしろ、汐自身がここに居たいという願いから、汐はそのままアパートで暮らしていた。
「パジャマ新しいのに換えような」
「…うん」
寝たままの汐だったが、布団から抜け出し起きようとする。
「立たなくていいぞ。パパが着替えさせてやるから」
「…ひとりでできる」




しかし熱でフラフラなのだろう、立ち上がった途端に倒れてしまう汐。
そんな汐の朋也は優しく声をかけるも、汐自身は今までできたことができないのを、
悔しそうに俯いていた。
一人で着替えもできず、トイレにもいけず、食事も柔らかいものしか食べられなくなってしまった汐。
少し前まで元気に遊び、穏やかな日々を送っていた毎日を思い浮かべた朋也は、
そんな汐の心がせめて元気になってくれるよう、笑顔で支えていた。
「汐、なんか欲しいものあるか?おもちゃとかお菓子とかなんでも買ってやるぞ」
「……りょこうしたい」
「旅行?」
「またパパとりょこうしたい」
「…あんなの楽しくなかっただろ。パパ機嫌悪くて大声上げたりしてさ…」


「たのしかった。でんしゃにのって、パパとふたりで」
楽しかった夏の旅行。初めて行った朋也との旅行。
やっと父親と娘となった、あの旅行をもう一度行きたい、そう汐は願っていた。
「…元気になったら、な」
「……いま、したい」
「汐…。無理言って…パパを困らせないでくれ…」
「……うん…」
――一人娘の、たった一つの願いも聞いてやれないのか、俺は…
――渚、俺はどうすればいいっ
――こんなときに。お前がいてくれれば…


――俺は、俺たち家族は、この町に弄ばれているだけじゃないのか
――イタズラに幸せを与えられ、それを簡単に奪い去られる…
――許せない。絶対に汐だけは救う。汐だけはっ…
…
「宜しくお願いします」
「いってらっしゃい」
「じゃあな」


買い物に出かけるため、汐を早苗に任せ、朋也と秋生は二人で出かけようとしていた。
そんなとき、二人になってから秋生はあるものを朋也に渡す。
「ほら、とっとけ」
「…受け取れねぇよ」
「そう強情を張るな」
「いや、そういうことじゃないんだ。まだ貯金あるし…」
「嘘だったらしばくぞこらっ」
秋生が取り出した封筒はお金なのだろう。仕事を辞めた朋也への秋生からの心遣いだった。
しかし朋也はそれを受け取らず自身の貯金でなんとか頑張ろうとしていた。
「男が廃ろうが、守らなければいけないものがある。違うか?」
それは秋生のこれまでの人生を現しているかのような言葉。
そんな秋生の言葉を身に染みて分かっている朋也は、その言葉を真摯に受け止めていた。
そうして二人は近くのスーパーへと足を運び、
手にいっぱいの荷物を抱えながらも、秋生はふと”とある方向”を指し歩いていった。


そこはかつて瀕死の状態であった渚を連れ願った秘密の場所。
そして、今はその場所を切り崩して建てられた、あの新しい病院であった。
そんな場所のベンチに腰をすえる二人。
そんな場所に立ったせいか。朋也はふと、この場所についてぽつりと言う。
「…人はここに在った自然を犠牲にして病院を建てた。次は何を犠牲にしていくんだろうな…」
「…町外れの丘が切り崩してショッピングモールができるらしい。
便利になるんだったら、住人にとって喜ばしいことだ」
そんな朋也の言葉に、秋生もぽつりとそう言う。
町が変わっていくのは便利になっていく証拠だというように。
「もしかしたら、あんたが死にかけた渚をここに連れてきてから、
渚はこの町と繋がってたんじゃないかな。そして、渚の子の汐も…」
――変わっていく事を、姿を変えていくことを、
町にとっては苦痛なんだろうか…
死にかけた渚。死なせたくないと願った秋生。そして、願いは叶えられ元気になった渚。
そんな渚は願いが叶えられたこの場所で繋がりを持ったのではないか、そう朋也は考えていた。
「苦痛とは関係ねぇんじゃねえか。あぁ変わっていくんだって、そう思うんじゃねえのかな」
朋也考えにそう言葉を投げかける秋生。
そんな秋生の言葉に、朋也は人の死もそうやって受け止めていくのかなと、ぽつりと呟いていた。
そんな時、


病院の入り口には退院するのだろう、親子と病院関係者が並んでいた。
小さな女の子に花束を贈る看護士。
朋也と秋生はそんな光景を遠くの景色のように見つめていたが…


「この町と住人に、幸あれ」
そんな親子の光景から目を逸らし、遠くの景色を見ながらそう呟く秋生。
それは変わっていく町と、変わらずにはいられない住人に対しての、
願いが篭もった言葉であった…。
----------
ここでAパート終了。
最後の秋生の言葉がきちんとやってくれて安心したAパートでした。
また町と渚との繋がりがようやく垣間見れましたね。
願いが叶った場所。しかしその場所は変わらずにはいられずに新しい場所へと変化していく。
そんな町の変化と同調するかのように苦しんでいった渚と汐。
二人の接点がようやくここで判明した、そんな場面でした。
そんな町の変化と共に、時間も変化していき、長く辛かった季節が巡ってきます。
渚が苦しんだ冬の季節。そして、汐も熱を出し同じ運命を辿るかのように苦しんでいく季節。
そんな運命に立たされた渚と汐の傍にいた朋也は、ふと思ってしまいます。
自分のこれまでの道筋は間違っていたのではないか、と…。
渚と出会い、恋人になり、結婚をし、そして汐という守るべきものを見つけた朋也。
しかし運命に弄ばれ、渚を失い、渚を同じ運命を辿っている汐を見つめ、
朋也は自身が歩んできた道を否定してしまいます。
町が嫌いだと思っていたあの坂の下で、
そんな坂の下で出会った少女への、自分の言葉を…。
後半はそんな朋也の苦悩で描かれています。
変わって欲しいと願い、少女と出会って変わっていった自分の人生。
しかし、幸せを手にしささやかな時間は変わって欲しくないと願いながらも、
そんな幸福は変わらずにはいられなかった、そんな朋也の人生。
渚と同じ運命を辿っている汐はどうなっていくのか。
冬の訪れと共に表れる原因不明の発熱はなんなのか。
そして、渚に出会い、汐という守るべきものを見つけた朋也はどうするのか…。
”世界の終わり”
そんな悲しき終わりを、そのまま続けて後半をどうぞ…
----------
冬がやってきた。
町は来るべきクリスマスムードに溢れかえり人が絶えぬ風景となっていたが、
冬の到来と共に、汐の病状も悪化していた…。


苦しそうに寝ている汐もそうであったが、
朋也もそんな汐の看病のためか心身ともに疲れているのか、
立ち上がろうとすると、フラフラになっていた。
そんな時、ふと窓の向こうを見つめると…




にじんだ景色の向こうには、真っ白で雪のようなものが降っている、そんな世界。
しかしまばたきをしたのち見つめてみると、そこにはいつもの窓の外の世界だった。
そんな景色を見たあと、ふと汐を見ると、うっすらと目を開けていた。


冬になったせいもあり熱が上がりっぱなしな汐に水をやる朋也。
汐はおいしいと笑顔でいいながらも、ふと思い立ったかのようにぽつりと呟いた。
旅行に行きたい、と。
「パパ、りょこういきたい」
「治ってからだ。何度も言っただろう?」
「いま、いまいきたい。いまでないとだめ…」
「汐…」
あの楽しかった夏の旅行。あのはしゃいで走り回ったお花畑。
あの、寂しい思いをせずに、朋也の胸の中で泣けた、あの夏の旅行に行きたいと。
そんな言葉を呟いて汐は朋也を見つめる。
朋也も、そんな汐の願いを受け止め、静かに汐を抱き言葉を紡ぐ…。
「分かった、行こう。お前の望み通りにさせてやるよ」
「うんっ」

――ようしっ出発だ。今度は楽しい旅にしようぜ
――…おーっ


――ほら、おぶってやるよ
――…ひとりであるく
――パパといっしょにあるきたい…

――分かった、なら歩けるところまで一緒にいこう
――うんっ…
そうして再びの、そして二人っきりの旅行へと歩いていく朋也と汐。


しかし、朋也と汐の足取りはかつての夏の旅行とは全く違い、
一歩ずつ、また一歩ずつと、確かめるような足取りでしかなかった。
倒れそうになったり、足を引きずりながらも、あの楽しかった旅行に行きたい一心で、
ひたすらに一歩ずつ足を伸ばしていく汐。
――はぁ、はぁ
苦しそうな息をしながら、それでも行こうという意思を示す汐。
そんな汐の姿を手で支えながらも、朋也は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
そんな時、
「…ぁ」


朋也と汐に降り注いできたのは、真っ白な雪。
静かに舞い落ちる雪を見て、二人を静かにそんな光景を見つめていた。
「汐は雪、好きか?」
「…うん。パパも、好き?」
「パパは…」




「…パパも好きだよ」
「…ぁ」
一瞬脳裏によぎるのはあの時の雪景色と渚の姿。
しかし、今朋也が手にしているのは小さな汐の手。
そんな汐に、朋也は笑顔で好きだよと言う。
汐もそんな朋也の言葉と表情に、ようやく笑顔を浮かべていた。
「…本降りにならなううちに車を拾おう。おぶってやるから」
「――…ううん」




――はぁ、はぁ、はっ、はっ…
そうして再び歩き出した汐と朋也。
しかしそれはさきほど以上に思い足取りで、
まるで降ってきた雪がそれ以上進ませないような、そんな光景にも見えた。
そして、段々と汐の足は思うように進まなくなり…そして……


「汐っ」
握っていた小さな手から力が弱まり倒れそうになるも、
朋也はすぐさま汐の小さな体を抱きとめる。
そこで、小さな小さな願いから始まった二人の旅は、止まってしまう……。

――パパ…
――どうしたっ汐?
――いま……どこ?


――もう…でんしゃの、なか…?
――あぁっ、もう電車の、中だっ…

――くらい……もう、よる…なの…?
――…あぁっ、もう、真夜中なんだ…
――……そ
――パパ……
――ん…


――だいすき…
――あぁっ、パパも汐が大好きだっ…




――…はっ
――……汐……?


――汐?……汐っ!?
――汐ーーーーーっ


――いやだ…こんなのは、いやだっ
――渚っ、汐を助けてくれっ…渚ぁっ
――誰かっ…誰か汐をっ……
――……渚ぁ……

汐が眠ったように目を閉じ、それに呼応するかのように、
朋也もまた、白い世界の中に倒れていった…
そんな二人に、しんしんと雪は降り続け、
いつしか周りは、白い景色へと変わっていった……
幻想世界---//




――ありがとう
真っ白な世界で倒れてしまった少女。
そんな少女の顔にかかる雪のようなものをぎこちないながらも払いのけるボク。
そんなボクの気持ちに答えてか、少女はまた一歩、また一歩と歩き続ける…。
――あと何歩でたどり着けるのだろうか
――あと一歩のところまできているのだろうか
――それとも、まだ果てしなく歩き続けなければならないのだろうか


果てしなく続く、どこまでも続く真っ白な世界を歩いていく二人だったが、
何度となく歩いては倒れ、歩いては倒れ、それを繰り返していく二人…。
そんな繰り返しの中で、ふと、人形のボクは空を見上げる。
何かの声か、何かの意思か、それとも真っ白な世界を見ようとしてか…。
ボクの見つめる先は、そうして、真っ白に輝いていった……
---//幻想世界
――この町は嫌いだ…


――忘れたい思い出が染み付いた場所だから…
――毎日学校に通い、友達とダベり、帰りたくもない家に帰る…
――こうしていて、いつか何かが変わるんだろうか…
――変わる日が、来るんだろうか……


――んっ、んっ


――あんぱんっ
――っ!?
――この学校は、好きですか…?


――ぁ…
――私は、とってもとっても、好きです…

――でも、何もかも変わらずにはいられないです…

――ここで声をかければ、俺と渚は出会い、付き合い始める…

――でも、そうしないほうが良かったんじゃないか…

――出会わない、ほうが……
......つづく
■21話を終わってみて
とりあえず声を大にして叫びたい。
うしおっーーーーーーーー!!。・゚・(ノД`)・゚・。
原作でもそうだったんですが、あの最後の「パパだいすき」には何度見ても号泣ものですっ。
まだ歩き始めてちょっと経ったぐらいなのにもう周りも見えていない汐。
それでも朋也のことを最後まで大好きだった汐。
…なんか「最後まで大好きだった」がものすごくデジャブというかリフレインしているというか、
前にもこんなくだりで書いたことがあるような、そんな気分です。
真っ白な世界で倒れてしまう朋也と汐。
そして、暖かくにぎやかな世界を目指していたものの倒れてしまう幻想世界の少女。
交差する二つの世界。同調する真っ白な世界。
そんな世界を歩んできた朋也は、最初の出会い、あの坂の下での渚との出会いを、
「間違っていたのではないか」と思ってしまいます。
渚を失い、汐までもその手から零れ落ちてしまった朋也。
そんな悲しい世界ならば、声をかけずにいれば良かったんじゃないか、と…。
始まりも無ければ終わりも無い。そんな世界のほうがいいんじゃないか、そう思ってしまいます。
悲しみと絶望を味わった朋也ならば、
そんな考えになってしまうのも致し方ないのかもしれませんね。
心の強い人間ならば耐えられることでも、
どこか弱い朋也はそんなところが人間味あふれるところなのかもしれません。
そんな朋也は、次回で最後の決断をします。
”声をかける” か ”声をかけない” か。
気になる次回、そしてタイトルはこちら。
~次回予告~
CLANNAD -AFTER STORY- 第22回 「小さな手のひら」




次回は感動の最終回っ!!
眠るように真っ白な世界に横たわる少女とボク。
そして、坂の下で出会った渚に声をかけるか否かを迷う朋也。
”小さな手のひら”
手のひらを漢字にした意味がとんと分かりませんが、
感動の最終回ということもあり今話と同じくティッシュが必要になりそうな回でありますねw
ということで次回もお楽しみにっ。



「同じですね、渚さんと。残念ですが原因は分かりません。
ですが渚さんのようにこの状態が続くと・・・」
「さっきまで…あんなに元気だったのにっ…」
汐が熱で倒れたのはやはり渚と同じ病状であり、
それは汐も渚と同じ運命を辿るように苦しんでいた。
「朋也、こいつの父親は誰だ?」
「…俺です」
「ならお前はしっかりしてろ」
汐を苦しそうに見つめる朋也に、秋生はそんな言葉を投げかける。
誰でもない汐の傍に居てやれる、守ってやれるのは朋也なのだと。
そんな秋生の言葉を聞き、朋也は苦しそうに、
しかし何かを決心したかのような、そんな顔を浮かべていた…
...そしてOPへ
アフターストーリー21回目。そして世界の終わりが訪れた回。
原因不明の熱を出し倒れてしまう汐。
そんな汐の病状を同じくし、ここにはいない渚。
その二人の家族を失おうとしている朋也。
今話はそんな朋也に訪れた世界の終わりを表した回。
守るべきものを見つけた朋也は何を思うのか。
母親と同じ運命を辿っている汐はどうなってしまうのか。
悲しき結末の前に、朋也が取った行動は……
AFTER SOTRY 第21回目となる今話。
”世界の終わりは 悲しい色に 満ちていた”
どうぞそのままご覧下さい。
◇ ◆ ◇
幻想世界---//
「大丈夫? 君は寒くない?」
――人形のボクは寒さをかんじない。だけど、きっと彼女の手は冷たくなっているはずだ


「もうすぐ世界が真っ白になるね…。ちょっと急がなくちゃね」
暖かで、賑やかな世界へと行くために手を繋いで歩いていく少女とボク。
真っ白い雪のような降るこの世界は、次第にその白さを広げていき、
かつて広大な草原であった場所は、少しずつ真っ白な世界へと変えていった…
---//幻想世界
ドンッ ドンッ パンパンっ
遠くで花火の音が聞こえる。それは汐も朋也も楽しみにしていた、
二人揃っての初めての運動会であった。
「…うんどうかい?」
「あぁ」
「パパ、はしらないの?」
「今日はずっとお前の傍に居るよ」


しかし汐が熱を出したこともあってか朋也は汐の傍に居ると決め、
秋生とのリレーはもちろん辞退してきたのだった。
「あっきーは?」
「オッサンは走るかもな。アンカーが二人も居なくなったら大変だろうし」
「パパ、あっきーにかって」
「いや、お前の傍に要るって」
「…ちょっとくやしい」
楽しみにしていた運動会。初めての二人一緒の運動会。
朋也が走るということで楽しみにしていたものの、
自分のせいで朋也が走らないと思ったのか、汐は残念な気持ちで一杯だった。
「お前は俺の味方なんだな。俺もお前の味方だ。どんなことがあっても守ってやる」
「…うんっ」
「眠いか?」
「……うん」
そうやってようやく笑顔をうかべ、静かに目を閉じ眠りに付く汐。
しかし、朋也は反対にさきほどまで浮かべていた笑顔は消え、
汐のそんな寝顔を見ても、ただただ苦しそうな顔を浮かべるだけだった…。
そんな日々が続き、一週間、一ヶ月と過ぎたものの、
汐は相変わらず熱が下がらず、寝たままとなってしまった。
幼稚園に行くことも、部屋から出ることさえ出来なくなっていた…。
「…すみません」


「僕としては岡崎君に辞めて欲しくないんだけど、色々と事情があるみたいだし…」
そんな汐との生活が続くこともあってか、辞表を提出する朋也。
それは自身の父親、直幸のように、何を犠牲にしても守っていく決心の表れだった。
「…思い切ったな」
「早苗さんやオッサンには止められました。でも汐の傍に居てやりたくて…」


「そうか、ご苦労だったな」
「…今まで、ありがとうございました」
そんな朋也を待っていたのか、芳野は事務所の前でそう言葉を投げかける。
朋也もそんな芳野に対して、これまでのこと、そしてこれからのことに感謝の言葉を言う。
そんな朋也の言葉に、芳野はふと思い立ったかのように、
作業車に乗っている荷物に手を伸ばして朋也にあるものを渡す。それは…
「持ってけ。無くすなよ」


それは『よしの』と刻まれた一本のドライバー。
芳野自身が仕事場では必ず使っていたドライバーであった。
「…いいんですか?」
「いいわけあるか。明日の仕事で困るだろうが」
「だったらっ」
「…代わりにお前のドライバーを貸せ」
「…ぇ?」


「帰ってきたら返してやる。汐ちゃんが良くなったら帰って来い」
これまでにないほどの笑顔を浮かべ朋也にそう言う芳野。
朋也もそんな芳野の心遣いに言葉無くドライバーを受け取り、
自分が使っていたものをそっと差し出していた。

「大事に使わせてもらうからな」
黙ってそのままドライバーを芳野へと渡し、静かに頭を下げる朋也。
それは、言葉を出せば何かが溢れてしまうような、そんな静かな礼だった…。
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(管理人コメント)
普段の愛溢れる芳野さんの言葉はどこか空気の読めないほうが多いんですが、
この場面でその言葉はカッコよすぎですよぅっ。・゚・(ノД`)・゚・。
秋生もそうですがこの作品の中の男は本当にカッコいい男ばっかりですよね。
同姓の私から見ても惚れ惚れしちゃうような…げふんげふん!
----------
そうして朋也と汐の二人だけの生活が始まった。
汐を入院させようと考えたものの、原因不明の病状なために治療法もないので、
入院させても意味は無いと考えた朋也。
むしろ、汐自身がここに居たいという願いから、汐はそのままアパートで暮らしていた。
「パジャマ新しいのに換えような」
「…うん」
寝たままの汐だったが、布団から抜け出し起きようとする。
「立たなくていいぞ。パパが着替えさせてやるから」
「…ひとりでできる」




しかし熱でフラフラなのだろう、立ち上がった途端に倒れてしまう汐。
そんな汐の朋也は優しく声をかけるも、汐自身は今までできたことができないのを、
悔しそうに俯いていた。
一人で着替えもできず、トイレにもいけず、食事も柔らかいものしか食べられなくなってしまった汐。
少し前まで元気に遊び、穏やかな日々を送っていた毎日を思い浮かべた朋也は、
そんな汐の心がせめて元気になってくれるよう、笑顔で支えていた。
「汐、なんか欲しいものあるか?おもちゃとかお菓子とかなんでも買ってやるぞ」
「……りょこうしたい」
「旅行?」
「またパパとりょこうしたい」
「…あんなの楽しくなかっただろ。パパ機嫌悪くて大声上げたりしてさ…」


「たのしかった。でんしゃにのって、パパとふたりで」
楽しかった夏の旅行。初めて行った朋也との旅行。
やっと父親と娘となった、あの旅行をもう一度行きたい、そう汐は願っていた。
「…元気になったら、な」
「……いま、したい」
「汐…。無理言って…パパを困らせないでくれ…」
「……うん…」
――一人娘の、たった一つの願いも聞いてやれないのか、俺は…
――渚、俺はどうすればいいっ
――こんなときに。お前がいてくれれば…


――俺は、俺たち家族は、この町に弄ばれているだけじゃないのか
――イタズラに幸せを与えられ、それを簡単に奪い去られる…
――許せない。絶対に汐だけは救う。汐だけはっ…
…
「宜しくお願いします」
「いってらっしゃい」
「じゃあな」


買い物に出かけるため、汐を早苗に任せ、朋也と秋生は二人で出かけようとしていた。
そんなとき、二人になってから秋生はあるものを朋也に渡す。
「ほら、とっとけ」
「…受け取れねぇよ」
「そう強情を張るな」
「いや、そういうことじゃないんだ。まだ貯金あるし…」
「嘘だったらしばくぞこらっ」
秋生が取り出した封筒はお金なのだろう。仕事を辞めた朋也への秋生からの心遣いだった。
しかし朋也はそれを受け取らず自身の貯金でなんとか頑張ろうとしていた。
「男が廃ろうが、守らなければいけないものがある。違うか?」
それは秋生のこれまでの人生を現しているかのような言葉。
そんな秋生の言葉を身に染みて分かっている朋也は、その言葉を真摯に受け止めていた。
そうして二人は近くのスーパーへと足を運び、
手にいっぱいの荷物を抱えながらも、秋生はふと”とある方向”を指し歩いていった。


そこはかつて瀕死の状態であった渚を連れ願った秘密の場所。
そして、今はその場所を切り崩して建てられた、あの新しい病院であった。
そんな場所のベンチに腰をすえる二人。
そんな場所に立ったせいか。朋也はふと、この場所についてぽつりと言う。
「…人はここに在った自然を犠牲にして病院を建てた。次は何を犠牲にしていくんだろうな…」
「…町外れの丘が切り崩してショッピングモールができるらしい。
便利になるんだったら、住人にとって喜ばしいことだ」
そんな朋也の言葉に、秋生もぽつりとそう言う。
町が変わっていくのは便利になっていく証拠だというように。
「もしかしたら、あんたが死にかけた渚をここに連れてきてから、
渚はこの町と繋がってたんじゃないかな。そして、渚の子の汐も…」
――変わっていく事を、姿を変えていくことを、
町にとっては苦痛なんだろうか…
死にかけた渚。死なせたくないと願った秋生。そして、願いは叶えられ元気になった渚。
そんな渚は願いが叶えられたこの場所で繋がりを持ったのではないか、そう朋也は考えていた。
「苦痛とは関係ねぇんじゃねえか。あぁ変わっていくんだって、そう思うんじゃねえのかな」
朋也考えにそう言葉を投げかける秋生。
そんな秋生の言葉に、朋也は人の死もそうやって受け止めていくのかなと、ぽつりと呟いていた。
そんな時、


病院の入り口には退院するのだろう、親子と病院関係者が並んでいた。
小さな女の子に花束を贈る看護士。
朋也と秋生はそんな光景を遠くの景色のように見つめていたが…


「この町と住人に、幸あれ」
そんな親子の光景から目を逸らし、遠くの景色を見ながらそう呟く秋生。
それは変わっていく町と、変わらずにはいられない住人に対しての、
願いが篭もった言葉であった…。
----------
ここでAパート終了。
最後の秋生の言葉がきちんとやってくれて安心したAパートでした。
また町と渚との繋がりがようやく垣間見れましたね。
願いが叶った場所。しかしその場所は変わらずにはいられずに新しい場所へと変化していく。
そんな町の変化と同調するかのように苦しんでいった渚と汐。
二人の接点がようやくここで判明した、そんな場面でした。
そんな町の変化と共に、時間も変化していき、長く辛かった季節が巡ってきます。
渚が苦しんだ冬の季節。そして、汐も熱を出し同じ運命を辿るかのように苦しんでいく季節。
そんな運命に立たされた渚と汐の傍にいた朋也は、ふと思ってしまいます。
自分のこれまでの道筋は間違っていたのではないか、と…。
渚と出会い、恋人になり、結婚をし、そして汐という守るべきものを見つけた朋也。
しかし運命に弄ばれ、渚を失い、渚を同じ運命を辿っている汐を見つめ、
朋也は自身が歩んできた道を否定してしまいます。
町が嫌いだと思っていたあの坂の下で、
そんな坂の下で出会った少女への、自分の言葉を…。
後半はそんな朋也の苦悩で描かれています。
変わって欲しいと願い、少女と出会って変わっていった自分の人生。
しかし、幸せを手にしささやかな時間は変わって欲しくないと願いながらも、
そんな幸福は変わらずにはいられなかった、そんな朋也の人生。
渚と同じ運命を辿っている汐はどうなっていくのか。
冬の訪れと共に表れる原因不明の発熱はなんなのか。
そして、渚に出会い、汐という守るべきものを見つけた朋也はどうするのか…。
”世界の終わり”
そんな悲しき終わりを、そのまま続けて後半をどうぞ…
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冬がやってきた。
町は来るべきクリスマスムードに溢れかえり人が絶えぬ風景となっていたが、
冬の到来と共に、汐の病状も悪化していた…。


苦しそうに寝ている汐もそうであったが、
朋也もそんな汐の看病のためか心身ともに疲れているのか、
立ち上がろうとすると、フラフラになっていた。
そんな時、ふと窓の向こうを見つめると…




にじんだ景色の向こうには、真っ白で雪のようなものが降っている、そんな世界。
しかしまばたきをしたのち見つめてみると、そこにはいつもの窓の外の世界だった。
そんな景色を見たあと、ふと汐を見ると、うっすらと目を開けていた。


冬になったせいもあり熱が上がりっぱなしな汐に水をやる朋也。
汐はおいしいと笑顔でいいながらも、ふと思い立ったかのようにぽつりと呟いた。
旅行に行きたい、と。
「パパ、りょこういきたい」
「治ってからだ。何度も言っただろう?」
「いま、いまいきたい。いまでないとだめ…」
「汐…」
あの楽しかった夏の旅行。あのはしゃいで走り回ったお花畑。
あの、寂しい思いをせずに、朋也の胸の中で泣けた、あの夏の旅行に行きたいと。
そんな言葉を呟いて汐は朋也を見つめる。
朋也も、そんな汐の願いを受け止め、静かに汐を抱き言葉を紡ぐ…。
「分かった、行こう。お前の望み通りにさせてやるよ」
「うんっ」

――ようしっ出発だ。今度は楽しい旅にしようぜ
――…おーっ


――ほら、おぶってやるよ
――…ひとりであるく
――パパといっしょにあるきたい…

――分かった、なら歩けるところまで一緒にいこう
――うんっ…
そうして再びの、そして二人っきりの旅行へと歩いていく朋也と汐。


しかし、朋也と汐の足取りはかつての夏の旅行とは全く違い、
一歩ずつ、また一歩ずつと、確かめるような足取りでしかなかった。
倒れそうになったり、足を引きずりながらも、あの楽しかった旅行に行きたい一心で、
ひたすらに一歩ずつ足を伸ばしていく汐。
――はぁ、はぁ
苦しそうな息をしながら、それでも行こうという意思を示す汐。
そんな汐の姿を手で支えながらも、朋也は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
そんな時、
「…ぁ」


朋也と汐に降り注いできたのは、真っ白な雪。
静かに舞い落ちる雪を見て、二人を静かにそんな光景を見つめていた。
「汐は雪、好きか?」
「…うん。パパも、好き?」
「パパは…」




「…パパも好きだよ」
「…ぁ」
一瞬脳裏によぎるのはあの時の雪景色と渚の姿。
しかし、今朋也が手にしているのは小さな汐の手。
そんな汐に、朋也は笑顔で好きだよと言う。
汐もそんな朋也の言葉と表情に、ようやく笑顔を浮かべていた。
「…本降りにならなううちに車を拾おう。おぶってやるから」
「――…ううん」




――はぁ、はぁ、はっ、はっ…
そうして再び歩き出した汐と朋也。
しかしそれはさきほど以上に思い足取りで、
まるで降ってきた雪がそれ以上進ませないような、そんな光景にも見えた。
そして、段々と汐の足は思うように進まなくなり…そして……


「汐っ」
握っていた小さな手から力が弱まり倒れそうになるも、
朋也はすぐさま汐の小さな体を抱きとめる。
そこで、小さな小さな願いから始まった二人の旅は、止まってしまう……。

――パパ…
――どうしたっ汐?
――いま……どこ?


――もう…でんしゃの、なか…?
――あぁっ、もう電車の、中だっ…

――くらい……もう、よる…なの…?
――…あぁっ、もう、真夜中なんだ…
――……そ
――パパ……
――ん…


――だいすき…
――あぁっ、パパも汐が大好きだっ…




――…はっ
――……汐……?


――汐?……汐っ!?
――汐ーーーーーっ


――いやだ…こんなのは、いやだっ
――渚っ、汐を助けてくれっ…渚ぁっ
――誰かっ…誰か汐をっ……
――……渚ぁ……

汐が眠ったように目を閉じ、それに呼応するかのように、
朋也もまた、白い世界の中に倒れていった…
そんな二人に、しんしんと雪は降り続け、
いつしか周りは、白い景色へと変わっていった……
幻想世界---//




――ありがとう
真っ白な世界で倒れてしまった少女。
そんな少女の顔にかかる雪のようなものをぎこちないながらも払いのけるボク。
そんなボクの気持ちに答えてか、少女はまた一歩、また一歩と歩き続ける…。
――あと何歩でたどり着けるのだろうか
――あと一歩のところまできているのだろうか
――それとも、まだ果てしなく歩き続けなければならないのだろうか


果てしなく続く、どこまでも続く真っ白な世界を歩いていく二人だったが、
何度となく歩いては倒れ、歩いては倒れ、それを繰り返していく二人…。
そんな繰り返しの中で、ふと、人形のボクは空を見上げる。
何かの声か、何かの意思か、それとも真っ白な世界を見ようとしてか…。
ボクの見つめる先は、そうして、真っ白に輝いていった……
---//幻想世界
――この町は嫌いだ…


――忘れたい思い出が染み付いた場所だから…
――毎日学校に通い、友達とダベり、帰りたくもない家に帰る…
――こうしていて、いつか何かが変わるんだろうか…
――変わる日が、来るんだろうか……


――んっ、んっ


――あんぱんっ
――っ!?
――この学校は、好きですか…?


――ぁ…
――私は、とってもとっても、好きです…

――でも、何もかも変わらずにはいられないです…

――ここで声をかければ、俺と渚は出会い、付き合い始める…

――でも、そうしないほうが良かったんじゃないか…

――出会わない、ほうが……
......つづく
■21話を終わってみて
とりあえず声を大にして叫びたい。
うしおっーーーーーーーー!!。・゚・(ノД`)・゚・。
原作でもそうだったんですが、あの最後の「パパだいすき」には何度見ても号泣ものですっ。
まだ歩き始めてちょっと経ったぐらいなのにもう周りも見えていない汐。
それでも朋也のことを最後まで大好きだった汐。
…なんか「最後まで大好きだった」がものすごくデジャブというかリフレインしているというか、
前にもこんなくだりで書いたことがあるような、そんな気分です。
真っ白な世界で倒れてしまう朋也と汐。
そして、暖かくにぎやかな世界を目指していたものの倒れてしまう幻想世界の少女。
交差する二つの世界。同調する真っ白な世界。
そんな世界を歩んできた朋也は、最初の出会い、あの坂の下での渚との出会いを、
「間違っていたのではないか」と思ってしまいます。
渚を失い、汐までもその手から零れ落ちてしまった朋也。
そんな悲しい世界ならば、声をかけずにいれば良かったんじゃないか、と…。
始まりも無ければ終わりも無い。そんな世界のほうがいいんじゃないか、そう思ってしまいます。
悲しみと絶望を味わった朋也ならば、
そんな考えになってしまうのも致し方ないのかもしれませんね。
心の強い人間ならば耐えられることでも、
どこか弱い朋也はそんなところが人間味あふれるところなのかもしれません。
そんな朋也は、次回で最後の決断をします。
”声をかける” か ”声をかけない” か。
気になる次回、そしてタイトルはこちら。
~次回予告~
CLANNAD -AFTER STORY- 第22回 「小さな手のひら」




次回は感動の最終回っ!!
眠るように真っ白な世界に横たわる少女とボク。
そして、坂の下で出会った渚に声をかけるか否かを迷う朋也。
”小さな手のひら”
手のひらを漢字にした意味がとんと分かりませんが、
感動の最終回ということもあり今話と同じくティッシュが必要になりそうな回でありますねw
ということで次回もお楽しみにっ。
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