(アニメレビュー) CLANNAD -AFTER STORY- 第20回
CLANNAD -AFTER STORY- 第20回 「汐風の戯れ」



「今日から先生戻ってくるんだって?」
「うん…」
「じゃあ早めに行ってご挨拶に行かないとな」
「うん…」
朋也と汐の二人の生活が始まって幾分か経ったとある日。
汐の担任の先生が今日研修から帰ってくるということで、
朋也は早めに汐と一緒に挨拶に行こうとしていた。
そんな当たり前の朝を大好きな朋也と過ごす汐。
箸を上手く使おうと頑張ってみるも朋也にとってそれは微笑ましい光景でしかなかった。


「それじゃ、行くか」
「おーっ」
「汐、ママに"行ってきます"って」
「――いってきますっ」
渚の写真に二人で行ってきますの挨拶をする二人。
そうして朋也は汐を連れ、担任の先生に会いに行った…のだったが、
幼稚園には"とてつもないほど大きな猪"と、
予想もしていなかった人物が待っていた…。
それは――
...そしてOPへ
アフターストーリー20回目。思えばもうアフターも20回目。時が経つのは本当に早いですね。
いつものように朝を迎える二人、というものを見れるだけで微笑ましい限りなのですが、
汐が頑張って箸を使おうとしている仕草を見てるだけでも幸せ一杯夢一杯であります(苦笑
そんな二人ですが汐の担任の先生に会いに行くとアバンでは言っていましたが、
本邦初公開!!ようやくというか出番をまたされたあの人物の登場です(笑
おまけに"どデカイペット"も出てくるということで色んな意味で幼稚園はカオスな状況にw
そんな感じで始まった今話。
副題は「汐風の戯れ」ですが、戯れというフレーズには色んな意味が含まれています。
先ほどから述べている幼稚園での戯れ。
そして、中盤辺りからの"とある少女"の登場による汐との戯れ。
…そして、そんな戯れのごとく朋也と汐に訪れた汐凪。
汐と過ごす小さな幸せ。汐という小さな、でも大切な存在を守る朋也にとって、
それは風が起こした"かつての再現"…。
全般的に今話はのほほんとした調子なのですが、
最後の最後になって朋也と汐の小さな幸せも消え去ってしまいます。
大切な存在、守るべき小さなものを見つけた朋也は。
そして、そんな朋也と渚の間に生まれた汐の運命は…。
以下よりAFTER SOTRY20回目をどぞ。
◇ ◆ ◇
「なべーー」
「……」
「ごふーーっ」


見慣れない、おまけにとてつもなく大きな動物を目の前に呆然とする朋也。
汐が言うには「ようちえんのペットの"なべ"」だという。
朋也はこんな大きな猪がここに居るということにただただ驚いていた…のだが、


脳裏によぎったのはかつて学園で出会った小さな猪。
朋也は心の中でまさか今居る目の前のそれと思い出の猪が同じだとは思えず、
「まさかな」とひとり愚痴ていた。
と、そんな時、
「――岡崎汐ちゃんのお父様ですね」
「!?」
突然のその声に朋也は振り向くと…そこには……


「おっ、お前っ」
「汐ちゃんの担任の"藤林杏"と申します。どうぞ宜しくお願いします」
「っ、ど、どうもっ、ご丁寧にっ」
「…ぷっ、くくっ、あははははっ。アンタのそんな顔初めて見たわ」
そうやって声をかけてきた汐の担任は、かつて学園で同級生であった杏。
杏がここに居ること、おまけにご丁寧な挨拶をするということで面食らい、
慌てて挨拶をかえし笑われる朋也。
杏がここに居るということ、それは汐がじゃれている動物が杏が飼っていたボタンであり、
朋也はいつの間にかあの頃の風景が浮かんできた、そんな気分になっていた。
そんな朋也と杏が親しげに話しているのを不思議がってみている汐。
そんな汐に杏はこう説明する。
「汐ちゃん、実は先生とパパって学校が一緒だったのよ」
「昔っから乱暴でなぁ、いっつもパパがイジメられてたんだぞ」
「ちょ、いい加減なこと教えないでよっ」


「…それで、ママとも仲良しだったんだ…、知ってたか?」
「ぶんぶんっ」
朋也と杏が知り合いということを、頭をぶんぶんと振って知らないと意思表示する汐。
そんな汐の反応に杏は朋也に補足する。
「早苗さんから言われてたのよ。そのうちアンタが顔を見せるはずだから、
汐ちゃんに話すのはその時にしてください、って」
「…そっか、早苗さんが…」
こんなところでも早苗の心遣いを知り、本当に感謝しきれないなという表情を見せる朋也。
それはどこまでも家族を大切にしてくれている、そんな気持ちを再認識した瞬間だった。


「心配かけたろ…ごめんな」
「ううん、大変だったものね…。椋やことみや陽平もアンタのこと心配してたのよ?
今年のお正月に集まったときも様子を見に行こうかって話しになったんだけど、
今はそっとしておこうって話しになって…。 でもっ、もう色々解決したってことよね」
心配かけたことを謝る朋也だったが、杏やここにいない椋やことみもそれは分かっていた。
そして、そんな心配ごとも解決したという姿勢を表す朋也。
「もう大丈夫」。そんな顔を見せるようになった。
汐もそんな朋也の影響か、すっかり笑顔も見せるようになり、
活発的でいい子だと、藤林先生こと杏はそう話す。
「アンタと違って素直でいい子よ」と冗談交じりに杏がそう言うほどに。
そんな驚きの担任の先生との会談もそろそろお開きとし、
朋也は汐を杏に預け、仕事へと向かっていった。


「いってらっしゃい、パパっ」
「あぁ、行ってきます」
「…よかったね、汐ちゃん。一緒に暮らせるようになって」
「うんっ」
杏と一緒に幼稚園の入り口で朋也に手を振る汐。
そんな汐に笑顔でそう話す杏。
汐もそんな杏の笑顔と、朋也と一緒に暮らしている生活を見て、
本当に綺麗な笑顔でそう答えていた。
……
…
「――風子ちゃんが?」
「あぁ、お前の家に遊びに行きたがっている」


聞くとどうやら公園で汐と会ってから、風子は汐と遊びたいと言っており、
迷惑でなければ朋也の家に遊びに行きたいと言っているという。
朋也もそんな申し出に別段断る理由も無かったが、なぜと当然の疑問を投げかけていた。
そんな朋也の疑問に、芳野は静かに答えた。
「風子ちゃんは退院したばかりで一人で歩く練習が必要なんだ。それにあの子は人見知りでね。
自分から人に会いたがるということは滅多に無い。こういう機会を大事にしてやりたいんだ」
「分かりました。汐も風子ちゃんのことは嫌いじゃないみたいですし。待ってますよ」








(BGM:木漏れ日)
仕事を一段落し終え汐を迎えに行く朋也。
そしてアパートへと着くと再び仕事に行き、そんな朋也を見送る汐。
二人で見上げる空。
そんな空を見上げる汐は、ふと散歩へと出かける。
一人で歩き、教えられてもいない場所へと向かっていく。
それは、かつて秋生の願いが聞き遂げられた場所。
そして、新しい病院が建った、あの場所だった…。
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(管理人コメント)
芳野との会話から汐がひとりで新しい病院に行くまでのくだりで流れる「木漏れ日」
これは『CLANNAD オリジナルボーカルアルバム』の『ソララド アベンド』に収録されている曲。
Key Sounds Labelの『Discography』にサンプルがありますので、
興味がある方は是非に聞いてもらいたい曲。
というより興味があったら買いなさいと声高らかに言いたい曲です(笑
そんなBGMで語られた一幕ですが、原作には無い場面を上手く表現しているように思えます。
まるで汐は何かの声や意思に告げられ、または引き寄せられあの場所へと歩いていきましたが、
この場面でこれを見せる意味はなんなのでしょうか。
実は後半にも汐はこの場所を訪れます。
その時に汐の意志も告げられますので真相はその時に。
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……
…
「そうだ汐、明日お前にお客さんが来るぞ。伊吹風子ちゃんだ、覚えてるだろ」
「うんっ、おぼえてるっ」


夕食時。朋也はキッチンでハンバーグを作りながら、明日の日曜に風子が来ると汐に伝える。
そんな汐は一瞬風子がここにくるということを不思議そうな顔で見つめていたが、
遊びに来るということを知ると嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
そんな夜。


「パパ、ママのうたうたって」
「またか、よっぽど好きなんだな」
「うん、いちばんすき」
隣で寝ている朋也に歌って欲しいとねだる汐。
朋也もそんな汐の願いに苦笑しながらも、渚も好きだった「だんご大家族」を歌ってあげることに。
「――だんご、だんご、だんご、だんご、だんご大家族…」
汐の体をぽんぽんと触れながら、優しく語り掛けるように歌う朋也。
そんな朋也の声と、大好きなだんご大家族の歌でうとうとと眠っていく汐。







(BGM:だんご大家族)
渚の歌をせがむ汐に、静かに語りかけるように歌う朋也。
そんな「だんご大家族」の歌を歌うと、脳裏に浮かんでくるのは、
汐という大切なものが生まれた瞬間のあの時。
朋也、渚、そして、小さな小さな汐。
そんな思いで歌っている朋也は、いつしかそのまま眠りについたものの、
その目には一筋の涙が流れていた――。
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(管理人コメント)
ここでまたボーカルBGM。朋也の歌うだんご大家族にリンクするように流れる作りはグッジョブw
朋也と渚と、そしてそんな二人に抱かれる汐。
もう、なんというか…やヴぁいぐらい胸にくるシーンでしたっ。・゚・(ノД`)・゚・。
それはそうとこれは1期のEDにも使われた歌なのですがなんだか久々に聴いた感じ。
懐かしさも相まって朋也と同じように泣きながら眠っちゃいそうにw
本当に京アニは泣き所というか上手い作りにしてくれやがりますね(苦笑
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……
…


「――遊びに来ました。宜しくお願いします」
そういって丁寧な挨拶をする風子。
そんな風子に笑顔をうかべていらっしゃいと声をかける朋也…であったが、
「では早速ですが汐ちゃん…風子の妹になりましょうっ」
「ならねぇよっ!!」
来た早々に飛ばしまくる風子。
そんな風子に朋也も思わず声を大きく反論するも、風子はそれをお構いなしに汐にアタックする。
「汐ちゃんは風子のこと嫌いじゃありませんか?」
「んーーとっ、すきっ。でもパパといっしょにいる」
「ふふんっ聞いたかっ」
「んーーっ、ならっ、今日一日で懐柔しますっ」


「まずはお近づきの印に古河さんに作ってもらったオーダーメイドのパンですっ」
そういって取り出したのは"星型"と思われる特製のパン。
朋也もそんなパンを見て思わず「風子にしては可愛らしいパン」と賞賛していた。
そうしてその風子プロデュースなパンを受け取り「いただきます」と言って食べる汐。


「いただきます―――おいしいっ」
「あぁ~~、可愛い汐ちゃんが可愛いパンを食べて可愛さ倍増ですっ」
そんな風子のテンションに呆れながら昼時ということもあり3人分の昼ごはんを作る朋也。
そんな朋也に風子はぽつりと声をかける。
「岡崎さんは奥さんを亡くされたと聞きました」
「それが?」
「風子にその面影を重ねてしまうのも無理はないです」
「くっ…言っとくけどな。渚はお前と全く似てないっ。別の生き物のように違う」


「宇宙人みたいな奥さんだったんですかっ!」
「お前がだよっ!!」
「風子宇宙人じゃないですっ。風子は地球人として極めて平均的な思考の持ち主ですっ。
というわけで一緒に帰りましょう」
「話が繋がってないだろっ!!」
マシンガントークもかくや朋也相手にそんなテンションで喋っていく風子。
朋也も殆ど初対面にも関わらず、風子に対してはなぜだかそんなテンションのまま相手にしていた。
そんなテンションのまま昼時も終わったものの、
まだまだ朋也と風子の異次元?トークは終わろうとはしなかった。
それは風子が一般的な思考の持ち主を否定するための朋也の質問から始まった…
「絶対に触ってはいけないボタンがあったらどうする?」
「隠れてこっそり押しますっ」
「あーぁ、それ核ミサイルの発射ボタンだから」
「っ、卑怯ですっ!誘導尋問ですっ!!なら風子からも質問です!」

「絶対に履いてはいけないタイツがあったとしたらどうしますか?」
「いや、別にどうもしないけど」
「嘘ですっ。岡崎さんなら我慢しきれずタイツを履いてしまうはずでdすっ!」




『岡崎最高っーーーーーーー!!』
チュドーーーーーーンっ!!!!!!
そんなトンデモ話に流石に唖然とする朋也。
おまけに作った昼ごはんに眠り薬が入っていないか疑う風子は、
「がーがー寝てたって襲ったりしないから安心しろ」と答える朋也に、
「大切に思ってくれているということなのでしょうか」と頬を染めるというトンデモ勘違いを見せるほど。


そんな二人の漫才のような笑いのある日常を、同じように笑って過ごす汐。
うららかなお昼。そんな3人が過ごす朋也家のアパートは、そんな風に過ぎていった……。
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ここでAパート終了。
公園での風子トークもでしたが久々のトンデモ理論に思わずにやりと中の人(笑
ここら辺りはほぼ原作準拠でしたが、履いてはいけないタイツをやってくれるとは京アニ万歳w
しかも「岡崎最高!」は1期でのヒトデ祭り以来。流石は京アニも分かってらっしゃいますwww
さて、そんな感じの風子トークは後半もちょこっとあるわけですが、
後半では汐を中心としたかなり大事な場面があったりなかったりします。
汐にとっての"大切な場所"。理由は分からないけど好きな場所。
原作には無い一面を風子というファクターを通して見せるこの場面は、
きっとこの後の何かしらの伏線となりえるでしょうね。
それではこんな気になる後半Bパートを続きからどぞ。
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「――ということでトランプでもしましょうっ。
汐ちゃんはブラックジャックかジンラミーとか知ってますか?」


唐突にトランプゲームをしようと持ちかける風子。
しかし持ちかけたゲームは5歳児には到底できないものばかり。
流石の朋也もそれにはツッコミをいれ汐自身に何を知っているのか聞くと、
「んーと、しちならべっ」
「汐ちゃんグットチョイスですっ!あれは魔性のゲームですっ!!」
大人と言い張るにも関わらず七並べが大好きな風子。
そんな風子にツッコミを入れる朋也もいれ、3人で七並べをやることに。
「んー、岡崎さん。ハートの10を止めていますね…」
「まだまだ出せるカードがあるからなっ」
和気藹々にゲームを進める3人。風子がボケて朋也が突っ込む。
そして汐がそれを見て笑う、そんな光景だった。
「(――お前が生きていてくれたら……)」




ゲームの途中、ふとそんな風に思う朋也。
渚が居て、汐が居て、そして朋也も居る。そんな3人がトランプで遊ぶそんな光景を…。
「…か、ざきさんっ。岡崎さんっ」
「…はっ。わ、悪い、俺の番だったな…」
「やっぱり風子に奥さんの面影を重ねていますか」
「いや、それは無いから」
朋也が物思いにふけっていたのもあってか、そんな風に言う風子。
汐は会ったことがないと聞いていたが風子自身も面識は無かったので、
渚という人物がどんな人柄だったのか気になっているようだった。
そんな時、
「パパからいろんなことたくさんきいたっ」
「ふふっ――どんな人でしたか?お母さんは?」
「えーと、とってもなきむしなひと」

それはいつかの夏旅行で朋也が話した、汐が知る渚の一面であった…。


「――でもすごくがんばってうしおをうんでくれたひとっ」
「――それでっ、パパのすっごくすきだったひとっ」


手に持っていたトランプが滲んでいく…。
汐の知っている渚の面影と、そんな汐の言葉で渚の顔が浮かんできた朋也は、
目に涙が溜まっていくのを抑え切れなかった…。
「…あの、風子暇なのでいつでも呼んで下さい」
「…えっ」
「呼んでくれたらいつでも来ます。出来ることがあったらしますから」
朋也のそんな涙に何かを思ってかそう言う風子。
気を使っているという風子に面を食らった朋也だったが、
そんな風子の言葉にようやく笑顔を見せるようになった。


「それでは風子帰ってしまいますっ」
「普通に帰りますって言えよな」
「外で会っても声かけます。もう汐ちゃんの匂いも記憶しましたので、近くに居ても分かりますっ」
そういって最後の最後まで汐のことを気にかけていた風子。
風子が帰ったあとは朋也はかなり疲れていたが、
汐にとってはとても面白い人として覚えられていた。
……
…
翌日。


汐の居る幼稚園へ迎えに行った朋也。
そこでは広場でボタンの背中を滑り台代わりに遊ぶ汐の姿。
「あんなことされて怒らないのかボタン」
「背中を刺激されて案外気持ちいいみたい」
そんな汐とボタンの姿を見て笑顔を見せる朋也。
杏に「甲斐性なしのお迎え」や、汐に抱きつかれて「親バカで情けない顔」とおちょくられるなど、
朋也にとって、そして汐にとってもなくてはならない居場所となっていた。
「汐ちゃんに運動会のプリント渡してあるから読んどいてね」
「運動会?」
「そ。保護者参加の種目もあるから練習しときなさいよっ」
…


「運動会のことなら知っています。町内会長さんから聞きましたから」
ところ変わって古河家。
汐の運動会があるということで話しを持ちかけた朋也だったが早苗たちはすでに知っており、
ならば朋也は話が早いということで応援にきてほしいと頼む…のだったが、
「応援というより…」


「ふぅ…」
「あっきーーっ」
どこからか帰ってきたのは家主である秋生。
珍しい格好をしているということで朋也はそれに対して秋生に質問すると…
「むろん運動会に備えてのロードワークよ。ふふん、腕が鳴るぜっ」
シャドーボクシングをしながらそう答える秋生。思わず朋也は「そんな種目ない」と突っ込むも、
どうやら秋生は「腰の悪い園長先生の代わりにリレーのアンカー」をすることとなっていた。
「てめぇは父兄チームだろう。因縁の対決だぜっ」
「それは燃える展開ですねっ」
「早苗っ園長に言ってとけ。こいつが父兄チームのアンカーやるって」
「むちゃくちゃだなぁ…」
本人を置いてけぼりに話しが進み流石の展開についていけない朋也。
しかし、そんな気落ちする朋也の袖を引っ張る汐。


「パパっ、がんばってっ」
「っ!ようしっ!!パパ頑張るぞーっ!!!」
こうして、汐の応援により秋生との因縁の対決。
そして父兄チームのリレーのアンカーとしての練習が始まった…。

仕事場での休憩時間を使っても練習に励む朋也。
一方そんな頃、




ふと時計を見つめた後、またふらりと一人で出かける汐。
そして、そんな途中で偶然にも風子と出会い、一緒に散歩に出かけることに。
「汐ちゃんは散歩が好きなんですね。迷子になるのが怖くないんですか?」
「まいご?」
「どちらに行ったらいいか迷ったり、立ちすくんでしまったり、そういうのが怖くないですか?」
「こわくない」
一人ででかけることを怖くないと言う汐。
そんな汐の言葉に風子自身も見習わなければと呟いていたとき、
ふと、汐は何かを見つけて走り出してしまう。
そんな汐に追いついた風子が見たものが…


「新しい病院ですね。汐ちゃんはここが好きなんですか?」
「うん」
「――どうしてでしょう」
「なんとなく」
「――なんとなく、ですか……」
汐が走っていった先は"あの場所"の森が切り開かれて建てられた新しい病院。
なぜここが好きなのかは汐自身も分からないようであったが、
好きと言えるぐらいの"何か"は感じているようであった…。
……
…
そうして、そんな日々が過ぎていき、朋也の運動会に備える練習も佳境へと入っていった。






雨の日も、休みの日も、汐や風子が見守っている中、
朋也はこれまでにないぐらいの練習に、汐のためだけに励んでいた。
「いよいよ明日だなぁ」
「あぁ、ついに雌雄を決する時だっ」


汐の幼稚園の運動会を目の前にした日。
朋也と秋生は目の前にした因縁の対決を前にモチベーションも最高潮へと達していた。
早苗もそんな二人の光景を微笑ましく見つめる中、
トイレに行っていた汐が戻ってきた…のだったが……、


「おしっこ、ひとりでできなかった…」
「ぇ、汐、どうし…」
バタンッ!!
「っ!!どうしたっ汐っ!?―――ぁ、熱いっ」




突然倒れる汐を抱き額に手を当てると、朋也の手には尋常ではない熱さが伝わってくる。
楽しみだった運動会を目の前に起こってしまった汐の発熱。
汐のためと頑張ってきた朋也に残ったのは、そんな汐の儚く熱い体だけであった……。
......つづく
■20話を終わってみて
んー、正直淡々と終わってしまった今話。
原画さんたちの絵のおかげで汐の可愛い姿を見られたということもありそれは良かったのですが、
最後の繋ぎの話のせいか単調に終わってしまった感がぬぐえないのもまた事実。
まぁこんな普段の日常というのが普通なのであってこれが当たり前なんでしょうが、
前話などでの感動的な一面の後ということもありそんな感想を抱いてしまったのかもしれませんね。
さて、そんな今話ですが、最後の最後で熱を出し倒れてしまう汐。
楽しい日々のあとには悲しい現実。いつかの渚を思い起こしてしまう最後でした。
汐と仲直りした夏。汐と笑顔で暮らしてきた秋。
そして、悲しい現実が舞いこんできた冬。
再び汐の笑顔を失ってしまうのか。
そして、再び大切な存在を無くしてしまうのか。
気になる次回はこちら。
~次回予告~
CLANNAD -AFTER STORY- 第21回 「世界の終わり」





――俺たちは、俺たち家族は、この町に弄ばれてるだけじゃないのか
――イタズラに幸せを与えられ、それを簡単に奪い去られる
――一人娘の、たった一つの願いも聞いてやれないのか、俺は…
――渚、俺はどうすればいいっ……
副題が「世界の終わり」ということでもうこれだけで泣けてきそうな予告であります(´;ω;`)
”世界の終わりは 悲しい色に 満ちていた”
感想&応援コメントはこちらで
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